婚姻費用の計算
婚姻費用の計算
婚姻費用の計算手順
婚姻費用を計算するうえで、標準的な算定方式は、(1)夫婦双方の基礎収入を算出し、(2)権利者世帯に配分される婚姻費用を算出し、そのうえで(3)義務者の婚姻費用分担額を算出するという手順になります。
夫婦の間で婚姻費用を支払う側を「義務者」、支払を受ける側を「権利者」と呼びます。「子」は、婚姻費用に含まれる養育費の対象となる未成熟子をいいます。
婚姻費用の計算内容
婚姻費用の計算について、上記の算定方式による手順の各内容をご説明します。
(1)夫婦双方の基礎収入
基礎収入とは、年収総額から、公租公課や就労に必要な出費、住居関係費など、婚姻費用に振り分けるべきでない一定の金額を控除したものです。
その控除をした後の基礎収入の割合が設定されており、給与所得者、自営業者それぞれ、以下の割合になります。
それぞれ表の中の左側が年収、右側が基礎収入割合です。
給与所得者 | 割合 | 自営業者 | 割合 | |
0~75万円 | 54% | 0~66万円 | 61% | |
~100万円 | 50% | ~82万円 | 60% | |
~125万円 | 46% | ~98万円 | 59% | |
~175万円 | 44% | ~256万円 | 58% | |
~275万円 | 43% | ~349万円 | 57% | |
~525万円 | 42% | ~392万円 | 56% | |
~725万円 | 41% | ~496万円 | 55% | |
~1325万円 | 40% | ~563万円 | 54% | |
~1475万円 | 39% | ~784万円 | 53% | |
~2000万円 | 38% | ~942万円 | 52% | |
~1046万円 | 51% | |||
~1179万円 | 50% | |||
~1482万円 | 49% | |||
~1567万円 | 48% |
(2)権利者世帯に配分される婚姻費用
権利者世帯に配分される婚姻費用の額は、以下の生活費指数を使って算出します。
生活費指数とは、統計から導いた基準となる生活費と公立学校教育費について、親を100とした場合に子にあてられるべき割合です。
権利者=100、義務者=100、
子=14歳以下は62、15歳以上は85
そして、権利者世帯に配分される婚姻費用の計算式は以下の通りです(100は権利者の生活費指数、200は権利者・義務者の生活費指数の合計。子の生活費指数については子全員分を合計します)。
(権利者の基礎収入+義務者の基礎収入)
×(100+子の生活費指数合計)
÷(200+子の生活費指数合計)
(3)義務者の婚姻費用分担額
義務者の婚姻費用分担額は、以下の計算式により年額が算出され、12で割ると月額が算出されます。
これを、義務者が権利者に支払うことになります。
上記(2)で算出された額
-権利者の基礎収入
婚姻費用の計算例
婚姻費用について、上記の算定方式による計算例は以下のようになります(ここでは、計算過程における金額の調整は行わず、ただし小数点以下は切り捨てとしています)。
設例
権利者:年収300万円の給与所得者
義務者:年収600万円の給与所得者
子ども:14歳以下1人(生活費指数62)
15歳以上1人(生活費指数85)
婚姻費用の計算
(1)双方の基礎収入
権利者:300万円×0.42=126万円
義務者:600万円×0.41=246万円
(2)権利者世帯に配分される婚姻費用
双方の基礎収入合計(126万円+246万円)
×(100+62+85)
÷(200+62+85)
=264万7953円
(3)義務者の婚姻費用分担額
上記(2)で算出された額264万7953円
-権利者の基礎収入126万円
=138万7953
→月11万5662円
婚姻費用の冒頭ページへ、以下をクリックすると戻ることができます。
婚姻費用ページへ


横浜都筑法律事務所
神奈川県弁護士会所属
(旧横浜弁護士会)
〒224-0032
横浜市都筑区 茅ケ崎中央42-21
第2佐藤ビル304
電話:045-350-8424
〔電話受付〕平日9:30~17:00
(新型コロナウイルス対策中)